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秋の気配を運び来るフルートの音・”Phenil Isopropil Amine” Bobby Jaspar  [音源発掘]

梅雨は、とっくに明けたはずなのに、いつまでも続くじとじとした日々。

8月も半ばとなれば、暑い日中の時が過ぎれば、何処からともなく、秋の訪れを間近に感じる風がそよぎ来る時となるはずなのに。

と思ずれるい、これから訪れる来る季節の気配を待ち焦がれながら、今回は一足早く、秋の気配を宿した音楽を探し聴いてみることにしてみました。

そうして、いろいろ聴き、これならばと思ったのがこの作品。

Bobby Jaspar Phenil Isopropil Amine.jpg


ベルギー人のテナーサックス、フルート奏者であるBobby Jasparの1958年の作品”Phenil Isopropil Amine(邦題:スピーク・ロウ)”。

Bobby Jasparというアーティスト、どちらかと言うと知る人ぞ知ると言った類のアーティストだと思うので、そのプロフィールを簡単にご紹介されていただくと、

1926年ベルギーのリエージュで生まれのJaspar 、自国でのレコーディングデビューを果たした後、1950年にさらなる極み求めて、引き続き現代でもヨーロッパにおけるジャズの中心地となっているパリに進出することになります。

そして、そこで高い評価を得たJaspar は、周囲の勧めもあって、いよいよ1956年に渡米、ここでもまたその評価は揺るがすことなく、当時アメリカでの超一流のジャズ・アーティストらに認められ、彼等と行動を共にすることになるのです。

その顔ぶれには、J.J. Johnson、Kenny Burrell、Wynton Kelly、さらにWikiによればMiles DavisやJohn Coltrane、Donald Byrdまで、今や伝説のジャズの巨人となっている多くのアーティストが彼を賞賛し彼を向かえ入れたというのです。

中でも、彼の存在を有名にしたのは、私自身 渡米直後に加入したトロボーンの巨匠J.J. JohnsonのQuintetへの参加だと思っているのですが、そう思うのは、当時、このQuintetのメンバーには、後年ジャズ界の中心的存在となる若き日の Tommy Flanagan (piano)とElvin Jones(drums) が在籍していて、この二人のうち、当時すでに多くのアーティストのレコーディングに引っ張りだこの存在になっていた Tommy Flanagan のディスコグラフィーを見たところ、

そのBobby Jaspar、J.J. JohnsonのQuintetでのアメリカ・レコーディング・デビュー後すぐにFlanagan 、Elvin等と共に彼 自身アメリカでの初のリーダー・レコーディングを行い、その後、多くのアーティストとのレコーディング機会を得ていたことを知ったからなのです。



さて、ここで1曲。
テナー・サックスとフルート、二つの楽器を操るJasparですが、その真骨頂はやはり美しいフルート・プレイ。
全編、フルートの演奏で挑んだこの作品から”Cliff Cliff”を聴いていただくことにいたしましょう。




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魅惑の女性ジャズ・トランぺッター;市原ひかり”MOVEON” [音源発掘]

7月になりましたね。

夏の暑さも本番を迎え、少々バテ気味ながらも相も変わらず日々仕事に翻弄されている毎日を過ごしている私。
「引退間近の年寄りをここまでこき使うなよ」と、愚痴を言いながらも、私を頼って来る依頼者の願いには耳をかさぬ訳には行かず、さらに忙しさも増していつまで経っても楽をできないでいる有様。

と言いながらも記事の更新も怠る気持ちにはなれず、今回のお話は、ここのところ遠のいてしまっていたジャズ作品のお話。

そうしたことで、今回取り上げるは、昨今お気に入りでよく聴いている、日々の忙しさを紛らわしてくれているこの作品。

Move On 、市原ひかり m..jpg


日本の女性ジャズ・トランぺッター市原ひかり 2010年発表の5作目の作品”MOVE ON”を取り上げることにいたしました。

2005年の作品 ”一番の幸せ”でCDデビューをした彼女、最初はまた女の子のジャズ・プレヤーか、どうせ日本のレコード会社の受け狙いの産物なのだろうと聴いてみる気すらなかった私なのですが、その私が彼女のサウンドに興味を覚え聴いてみようと思ったのは、翌2006年に制作された2作目の作品”Sara Smile”に出会ってのこと。

今は廃刊となってしまったジャズ雑誌スィング・ジャーナルでGoldディスク作品として紹介されているのを知り、その内容を見てみると、ジャズの本場NYで活躍している強者アーティストを従えての海外録音。

2作目にしてこの力のいれよう、これは、いくら売らんかな姿勢丸出しの日本のレコード会社でもありえないこと!!
もしかすると、なかなかの逸材やもしれぬと、早速手に入れ聴いてみることにしたのです。

そして一聴してみると、当時、若干24歳の女の子が、NYの猛者連に揉まれながらも対等に渡り合っている。
しかも、そのサウンドは女性らしく、マイルドで優しい香りに満ちていたという何とも印象に残るもの。

これは将来が楽しみなアーティストだと思いながらも、しかし、一方、当時の私はトランペットいうと幅広い音域を駆使しバリバリと迫りくるスタイルが好みだったこともあって、彼女のプレー・スタイルには今一つ何か物足りないものを感じてしまって、その良さを理解できぬままとなってしまったのです。

そのトラウマが祟ってか、それから10年。
それまで、彼女のトランペットを聴くことはあまりなかったのですが、とある日、CDショップに行き店内を物色していると突然目に飛び込んで来たのがこの”MOVE ON”。

こういう形で出会った作品、これはご縁の産物なのだと、過去にも持ち帰り聴いてその良さに嵌ってしまった経験が度々あった私。
もしかすると、これもその筋の作品なのではと直感し、持ち帰り聴くことにしたのです。

さて、その顛末は??

その答え、それでは早速その演奏、聴いていただき判定していただくことにいたしましょう。







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プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで Part.3 [音源発掘]

早いもので2017年も6月を迎え半年が過ぎようとしているところ。
この「プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで」も遅々として筆の進まぬまま気付いてみれば3月に書き始めて以来3ヶ月も経過してしまいました。

これでは追悼というにはすでにその機会を逸してしまったな思いつつ、何とかけじめをということで今回はその最終回。

今年1月に、亡くなったベーシストのJohn Wettonのことをお話したいと思います。

John Wettonというと多くの方が、80年代一世を風靡したASIAでの活動を思い浮かべる方が多いのかもしれませんが、この人の名が多く知られるようなったのは1970年代の初頭のこと。
それまでとは全く異なったコンセプトで活動を開始したRobert Fripp率いる 第3期 King Crimsonへの参加によってでした。

ここでのWettonは、”Larks' Tongues in Aspic(邦題:太陽と戦慄)”、”Starless And Bible Black(邦題:暗黒の世界)、”Red”の3枚の作品にその足跡を残しているのですが、そのサウンドは、後のASIAでのものと大きく異なり、即興演奏(インプロビゼーション)を主体とした技巧的かつスリリングものだったことが思い出されます。


それでは、King CrimsonでのWettonのプレイ、まずは最初にCrimsonインプロビゼーション期の最後の作品”Red”から、

red king crimson.jpg


曲はその表題曲”Red”を聴き、その彼の足跡をたどって行くことにいたしましょう。



いかがですか。
私としてはこの時期のKing Crimsonが一番好きで、おかげでWettonというと、まずはこの作品を思い出してしまうのですが、ASIAでWettonを知った方々にとっては、このサウンドにはかなりの違和感を覚えたのではないかと思います。

革新的なサウンドを提示したKing Crimson、ここで世界的に名を知られるようになったWettonだったのですが、この”Red”を最後にKing Crimsonは1974年いったん解散、Wettonも新たなステージへと身を進めて行くことになるのです。

その行き先は、”Look At Yourself(邦題:対自核)”、”Demons And Wizards(邦題:悪魔と魔法使い)”、 ”The Magician's Birthday(邦題:魔の饗宴)”等の作品で、当時その地位を築きあげていたプログレシッブ・ハード・ロック バンドのUriah Heep。
その彼らの1975年の8作目の作品”RETURN TO FANTASY(邦題:幻想への回帰)から、その活動に参加することになったのです。

return to fantasy uriah heep.jpg


プログレシッブ・ロック的な感覚を付加しつつ、ポップな感覚のハード・ロック・サウンドで定評の高かったUriah Heep、そこでインプロビゼーションの世界で鍛え上げられたWettonのベース・サウンドが、どう炸裂するのか興味津々といったところ。

というところで、今度はその演奏、ここで聴いてみることにいたしましょう。











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プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで Part.2 [音源発掘]

今回のお話は、再び音楽談義に戻って、前々回に引き続き「プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで」 のPart2。

今回、登場願うアーティストは、昨年12月にこの世を去った、プログレシッブ・ロックを世に認知させた大名盤、King Crimsonの”In The Court Of The Crimson King”でデビューを果たし、その後、ロックにおける新時代のキーボードの道を開拓したKeith Emersonの主宰するEmerson, Lake & Palmerへ参加し、ロック史上における数々の名演を残したGreg Lake。

私が、Lakeを知ったのは、当時興味を持ってよく聴いていた ギターが大きな役割を果たしてたロックにおいて、キーボードをその中心据えたサウンドに挑戦していたKeith Emersonが、新しいバンド(Emerson, Lake & Palmer)を結成したことを知り、その作品を聴いてからのこと。

その最初の印象は、ベーシストとしての存在よりも、当時のロック界には珍しかった透明感とハリを兼ね備えた美しいヴォーカリストとしての存在だったことが思い出されます。

Emersonのクラシカルな佇まいを醸し出す美しいピアノと、その佇まいを壊すことなく美しく静かにロック・エッセンスを注入するLakeのプレイ。

そうした、EL&Pの魅力を知らされたのが、この作品。

emerson_lake_palmer.jpg


彼らのデビュー・アルバムである”Emerson, Lake & Palmer”でした。

この作品、EL&Pの作品としては、後の”Tarkus”や”Brain Salad Surgery(邦題:恐怖の頭脳改革)”などの、シンセサイザー駆使して迫りくるった全盛期の彼らの作品と比べ、地味な印象であまり多くを語られることが少ないように思えるのですが、それとは裏腹にアコースティックで繊細な趣のあるサウンドには、それら全盛期の作品とはまた異なった格別な魅力があるのではと思います。


そこで、今回最初の楽曲は、まずは手始めにこの作品から、

その格別な魅力、接して味わっていただくことにいたしましょう。








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プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで Part.1 [音源発掘]

今年1月末のJohn Wettonの訃報。

つい最近まで、自らが率いるASIAで精力的な活動を続けているという報を聞いたばかりだったのに、その突然の出来事に驚いたと同時に、思い起こされたのが、2015年6月以来、度重なるプログレシッブ・ロック創生期に活躍した名ベーシスト達の死。

2015年6月のChris Squire 、2016年12月のGreg Lake、そして今年の1月のJohn Wettonと 3人いずれもが70歳を前に相次いで他界してしまったことに、さらに大きな衝撃を受けてしまったのです。


そこで、これからは3回に分けて、その3人を偲び、その音楽の思い出についてそれぞれ語ってみたいと思います。

まず最初のベーシストは、2015年に亡くなったChris Squire。
ロックに交響曲的手法を取り入れたサウンドで一世を風靡した、プログレシッブ・バンドのYesの中核的存在として、そのサウンドの底辺を支え続けたことで知られるSquire.。

彼のベースの真骨頂は、バンドメンバーそれぞれが思うがままに奏でるサウンドのウェーブを、そのベース・で一瞬にして一つ壮大なウェーブに取りまとめ合体仕上げてしまう、その音造りの腕前の鮮やかさ。

あのQueenのベーシストであるJohn Deaconが、自身の目標としたという、その重厚なベース・サウンド。

メンバーの入れ替わりが多かったYesにおいて、20年ぶりの往年のメンバー集結による復活を果たした1996年のライブの模様を捉えた1997年に発表の、


Keys to Ascension.jpg


”Keys to Ascension”

そのライブ映像をご覧いただき、しっかりとサーチしていただければと思います。






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歌い躍る至高のドラム ・Max Roach;Live In Tokyo [音源発掘]

昨年は、私を皮切りに家族が順繰り入院、その後も仕事とその後家族の世話で、年末にはすっかり体調を崩してしまっって。
そんなことで、今年に入って正月は休養に徹しその回復に努めていたのですが、幸いその後も、出張が少なく、自宅で過ごす時間も増えたことから、やっとのことで回復基調へと転じることが出来たところ。

おかげで、今年は1月が過ぎるのがいつにもなく妙に長かったように感じているのですが、そうはいっても暦は変わって既に2月。

その2月入って初めての記事の今回は、

前回の記事で取り上げたCharles Mingus、その記事を書きながら思い出した一人の大物ジャズ・アーティストを取り上げ、その作品を語ることにしたいと思います。

そのアーティストは、Mingusの良き相棒であって、自分たちの表現したい音楽を世に送り出そうと共にレコード会社を設立したり、人種隔離反対運動の活動家として共に活動した、また、プレヤーとしては、Kenny Clarkと共に、現代のジャズへと続く1940年代ビ・バップの黎明期において、そのサウンドをサポートするための次世代のドラミング・スタイルを築き上げた、偉大なドラム奏者であるMax Roach。

この名前を聞けば、ジャズ史上、伝説のトランペッター Clifford Brownとの双頭コンボでの名演の数々でご記憶の方も多いとにでは。
そこで、ならばそれらの作品の一つを選んでお話をと! 行きたいところなのですが、それでは主役はあくまでMax Roachとは言っても、やはりそこは伝説のトランぺッター、書けば Brownばかりに焦点があたる記事になってしまいそう!!!!

ならば、Brown亡き後の、フロントにKenny Dorham(tp)、Sonny Rollins(ts)二人の名手を配し、かつRay Bryantのピアノが聴ける1956年の”Max Roach Plus Four”や、当時4/4拍子が主流のであったジャズの世界に3/4を持ち込み全曲3/4の曲で彩った1957年の”Jazz In 3/4 Time”といった50年代半ばの意欲作あたりを選ぶのではと思われるかもしれませんが、さに非ず。

もちろんそれらの作品には私も大きな愛着があるのですが。今回選んだのは...........

Roachのドラムの凄みをいやというほど思い知らされた、それらの作品からずっと時代が下った1977年、その年の来日の際に録られた東京でのライブの演奏を収録した、”Live In Tokyo”とすることにしました。

Max roach Live In Tokyo.jpg


この作品の魅力!!?

先に上げた1950年代の名演群、そのどれもがジャズの歴史に残る重要なものばかりだと考えているのですが、その時代を共にしたプレヤーの顔ぶれを見てみると、 Roach とは年齢もそう変わらず、一世を風靡し今にも名を残したプレヤーばかり。

その音楽を聴いてみると、必然その音楽もグループとしてのサウンドを重視したものとなっていて、Roachのドラムもその凄さを感じさせてくれるものの、他のソリストとのバランスを見据えたものであったように思えるのです。

ところが60年代に入って以降の彼のサウンドは、ビ・バップ、バップとジャズの2つ時代を牽引してきたジャズの巨星としての地位を謳われていた彼は、周辺に若手を起用し、自らのドラムをクローズ・アップし、それをその中心に添えつつも、若手たちの創造性を喚起する傾向が強くなっていったように感じらるのです。

そうした中で70年代に制作されたこの作品、実はこの私、このライブの直後、FM放送で彼のピアノレス・カルテットの演奏を聴き、既に過去の人だと思っていたRoachのドラムに、秘められた無限の可能性と大きな広がりがあることに気付かされ、ひどく驚かされたもの。

以来、Roachのドラムの真髄を知るには、この作品こそ打ってつけのものと思っているのですが、果たして私以外の方々はどう思われるのか???

早速、このサウンドをお聴きいただき、お話を続けいくことにしたいと思います。




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2016年印象に残った作品 その3 [音源発掘]

正月休みも終わり、2017年も早10日を過ぎようとしている今、新しい年も本格的稼働を開始をしたところ。

となれば当ブログの方も、いつまでも正月気分で惰眠を貪っていることも出来ないなという訳で、遅ればせながら私の方もようやく活動を開始としたところ。

その新年最初の記事は、昨年末、最後の記事で予告した2016年印象に残った作品その3のジャズ編。

昨年は、いくつかの作品は持っているものの、それまでどうも肌合いが合わずあまり聴いてこなかった、50年代に現れたアーティストの作品を中心に聴き直してみようということで始め、Zoot Sims、Lee Morgan、Charles Mingusなどを聴き、あらためてその良さを確認しつつ、かなり嵌ってしまう結果となっていたのですが、それらの作品については、また別の機会に取り上げることとして、今回は、現在も活躍を続けているアーティストの昨年お気に入りとなった作品から、そのいくつかを選んでみることにいたしました。


その最初の作品はこちら

Collective Portrait.jpg


トランぺット奏者 Eddie Hendersonの2014年の作品”Collective Portrait”です。
1971年に、当時最先端のクロス・オーバー路線をひた走るHerbie Hancockのグループにて、レコード・デビューしたHenderson、70年代はエレクトリック化したMiles Davisばりの演奏で一名をはせた彼も、今や76歳。

彼が現れた当初、私は、Clifford Brownのスタイルを継承しようとするトランぺッターが多い中、Miles のスタイルを継承する希少なトランぺッターとして興味覚え、いくつかの作品を聴いてみたのですが、最初に聴いた時は悪くはないと思うものの、繰り返し聴くとそのうち飽きを覚えてしまうそのサウンドにコマーシャリズムの悪臭すら感じるようになり、以後、彼の作品は聴かなくなってしまい、おりしも、Henderson自身も本来の精神科医としての職務に専念するためシーンから遠ざかってしまったため、もう彼を聴くことはないなと思っていたのです。

ところが、90年代になって現在のトランペッターの演奏によるジャズ史上に名を残した伝説のトランぺッター達の名演奏集ともいう企画作品に出会い、その演奏者としてNicholas PaytonやLew Solofといった、この時期名をなしていた名トランペッターに混じってHendersonの名を発見したことで再び彼のトランペットを聴いてみる気になったのです。

しかし、PaytonやSolofは、どんな演奏するのか、そのイメージが湧くのですが、フュージョン畑での演奏しか知らなかったHenderson。

果たして先の二人に見劣りすることはないのか。

そんな、杞憂を抱きながら彼の演奏にプレヤーの釦を下したのですが、聴こえてきたのは、フュージョン時代とは異なった、しっとりと場の風景を歌い上げている哀愁のを感じるトランペットの音色。

あのArt Farmerに優るとも劣らない叙情性を持ちながら、核のしかっりしたサウンド。
聞けば、この時期、医者の家業を引退し、ミュージシャンの道に専念することにしたのだそう。

そうした彼の意欲も手伝い、その後、彼の作品が発表されるとそれをGetし続け、その味わいを楽しんで来たのですが、この作品、さすが70歳の老境を越えてのそのプレイ、持ち味のトーンにも翳り射し、作品の印象を傷つけてしまっているのではとの不安が走りながらも、今のEddie Hendersonにも接し、その年齢をどう克服しているのかを確かめてみようという気持ちから聴いてみることにしたものなのです。

それでは、老境に入った、Eddie Hendersonのサウンド、早速、耳にしていただこうかと思います。


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2016年印象に残った作品 その2 [音源発掘]

まもなく年末年始のお休みが来る、さあ、ラスト・スパートだと気合を入れ直したところで、それまでのハード・スケジュールが祟ったのか新年を待たずに過労でダウン。

数日休息をとり、なんとか元気を回復することが出来たのですが、今年も残す所もう僅か。
再度仕切り直しのラスト・スパートで昨日何とか今年最後の仕事終えることが出来たのですが、当ブログの方もラスト・スパートで臨み締め括りををしなければという気持ちから、今回の記事は前回に引き続き、”2016年印象に残った作品” その第2回。
前回は、クラシック作品をテーマにしましたが、今回は元気を取り戻したところで、行くぞの気合のロック編。

今年はロックの作品、昨年に引き続き、現代のプログレシッブ・ロックやデスメタルを探求しようと、Porcupine TreeやOpeth、Alcest あたりから聴き始めたのですけど、それらの作品、けして悪くはないのですが、どこか本来の自分の嗜好とは合わないところがあるのか、体調によって聴きたくなくなることもしばし、そんなことから、その後は、どんなサウンドを探求の道筋がわからなくなくなり、探索の迷路に迷い込むことになってしまったのです。

そうした2016年、しかし、それから悪足掻きよろしくいろいろもがいてみた結果、終盤にはそれなりの成果が上がるようなって来て、1年を振り返ってみれば思いの他の収穫を得たうえ、来年の進めべき方向までも見えるようになるという結果まで生んでしまったという感じ。

とにかく、それまであまり聴いてこなかったジャンルにも踏み込んで、いろいろな音楽体験が出来た年となったというところ。


さて、その1年間に聴いたロック作品、そうしたことからそのスタイルは様々なのですけど、その中で、まず印象に残った作品は、やはりオールド・ファンの私にとって、長きに渡り第一線で活躍しつつも失なわれていなかったその輝きから、大きな元気をもらったこの作品。

Blue & Lonesome.jpg


このジャケット、見れば誰の作品かもうお分かりですよね。

今年12月2日にリリースされた、The Rolling Stonesの前作”A Bigger Bang”以来11年ぶりの新作”Blue & Lonesome”です。

実は、この作品の発表を知った時、60年代初頭からロック界に君臨している Rolling Stones、考えてみれば彼らの年齢は70歳半ばとなっているはず、果たして往時のようなプレーが期待できるのかと一抹の不安があったのですが........。

しかし、厳しいショーマン・シップ感を持ち、これまでそれに徹し続けてきた彼らのこと、いくら年老いたとしても、それまでの栄光を汚すような物は世に出さないはず、聞けば今年3月に行われたキューバでのライブではその健在ぶりをアピールしたばかり。

さらには、その作品の内容、彼らのルーツであり、彼らがさも得意とするブルースやR&Bの楽曲を収録したものだということを知るに至り、幼き日、The Rolling Stonesのサウンドで洋楽を聴き始めた私は、これは絶対に聴かねばなるぬと早速その作品を入手することにしたのでした。

さて、そのThe Rolling Stonesの集大成ともいうべきそのサウンド、まずは、この曲で、今回のお話お始めることにしたいと思います。



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2016年印象に残った作品 その1 [音源発掘]

なんだかんだ言っているうちに、12月ももう半ば。
今年は、年明けから忙しく動きまわっていたせいか、それを実感できず、今もってそのことが信じられないでいた次第。

ところが、それまでの働きすぎが祟ったのか、常々溜まり続けた疲労が爆発して、ついにダウン。
そこで、数日間ゆっくりと何もせず休息をしながら周囲の様子をよく見てみると、空気はまさに師走。
そんなことで、時の流れを知るなどとは、全くもってショウモナイ話なのですが、まもなく2016年が終わろうとしているのは事実。

そうなれば、今年も当ブログ、やはり1年間聴いてきた音楽、その印象を決算しなければということで、今回は、毎年恒例となっている”印象に残った作品”、またそのいくつかを取り上げお話を進めて行こうと思います。

さて、その第1回は、クラシック作品から。
今年、私にとって大きな衝撃だったのは、野ものとも山のものともからなかったシンセサイザーという装置を世界に先駆け取り入れ、楽器としての生命を与えつ新たな音楽世界を切り拓いた、日本を代表する音楽家である富田勲さんの逝去。

その第1作目の”月の光 Clair De Lune”発表以来、彼の音楽に接して来た私は、近年は、源氏物語や宮沢賢治の文学作品を題材にしたその音空間に惹かれつつ、命尽きるまで探究の手を緩めることのないであろう富田さんの生みだす次なる音世界を楽しみして来たのですけど........!!

その期待通り、その彼が次なるステップに進み、その完成を間近に控えたこの出来事。
それは、その日も富田初のバレエを組み込んだその曲の発表打ち合わせ途上だったという、突然の彼の死。

「曲を完成させたすぐ後は、こんなキツイこともうしたくないと思うのだけど、またしばらくしたらまた始めてしまうのでしょうね。」 

これは、前作、バーチャル・シンガー初音ミクとオーケストラとの共演で話題となった”イーハトーヴ交響曲”を発表した直後、富田さんの語っていた言葉ですが、その言葉通り再び創作の世界に返り咲き、日々精力的に活動をしていた富田さん。

その終焉は、そうした言葉を語った、かにも富田さんらしい最後だと思いつつ、私は、彼の音楽、その聴き軌跡をたどり聴いているうちに思い当たったのが、90年代に彼の手掛けた作品”源氏物語幻想交響絵巻”のクラシック・オーケストラの演奏の中に和楽器を取り混ぜ、日本的な雅の世界を創出した絶妙なアレンジ術。

日本の伝統的音楽を完全に自家薬籠のものとした彼のこと、もしかすると、和楽器をフューチャーしたシンセザーとの共演作品があるのではと、探し見つけたのがこの作品。

藤原道山 x 冨田勲 響 -kyo-.jpg


日本の代表的尺八奏者、藤原道山とのコラボによる作品、”響 -kyo-”。

藤原道山と言えば、尺八をもってジャズにチャンレンジし、ピアニストの菊池雅章、ベーシストのGary Peacock等との共演よって、日本の伝統とジャズのインプロビゼーションの世界を見事に融合させた名盤”銀界(http://hmoyaji.blog.so-net.ne.jp/2009-04-15)”を生み出した、人間国宝 故 山本邦山のお弟子さん。

これはかなり期待が出来そうと、さそっく手に入れ聴いてみることにしたのがこの作品なのです。

さてそのサウンド、一体どんなをものなのか????
まずは、一聴いたしましょう。





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秋の空気に映えるピアノの音;kenny Drew・Impressions,Expressions [音源発掘]

10月になりましたね。

今年の秋到来は、雨降り続きで鬱陶しい日が続く毎日で、心の内まで曇りがちにとなってしまっている方も多いのではと思いますが、そうはいえ、夜になるとどこからともなく聞こえてくる虫の音にホット一息、そこに確かな秋の訪れを感じられるようになった今日この頃。

その秋という季節、”芸術の秋”とは昔の人はよく言ったもので、何故か日常当たり前のように聴いている音楽も、一際その冴えが耳の中に響き渡り、その風味が増して聴こえてくるもの。

私もこの秋はログ友さんの影響か、ここのところ尺八の音が妙に恋しくなってしまい、この季節の風の上を静かに飛翔する藤原道山の尺八の演奏を聴きながら、日本の秋の詩情を体全体に感じ味わう機会が多くなっているのですが、それに加えてよく聴いているのが、今回ご紹介する秋の旅情を掻き立てる、この2作品。

kenny drew・impressions.jpg


kenny Drewの欧州3部作と言われる作品の中の、1988年制作の第1作目の作品、”impressions(邦題;パリ北駅着、印象)”と

kenny drew・Expressions.jpg


1990年制作の第3作目の作品、”Expressions(邦題;旅の終わりに)”。


旅の空の下、淡い哀愁の漂う女性の姿が印象的なジャケットを持つこれらの作品、共に今年7月に亡くなった日本人名ジャズ・プロデュサーの木全信氏の手によるもの。

このkenny DrewをはじめArt Blakey、Benny Golson、Chet Baker、European Jazz Trioなど、日本では最新の演奏を紹介されることの少なかった数々の名演奏家の現在を、「寛げるジャズ」「気楽に触れ合えるジャズ」そのうえで「アルバムのどこかに、聴く人の心に触れる緊張感をのこせれば・・・」という心情の下、多くの作品を制作してきた木全氏、中でもkenny Drewの今を捉えた作品群は、当時母国アメリカからヨーロッパに渡り、日本では忘れられかけていたこの名ピアニストの存在を広く世に知らしめ、大きな反響を呼んでいたことが思い出されます。

そして、そうした木全氏プロデュースのDrew作品の中でも今回選んだこの2作品は、1993年に64歳で亡くなったkenny Drew、その最晩年の演奏を捉えたもので、生涯の相棒となったベース奏者のNiels-Henning Ørsted Pedersen との互いにすべてを知りつくした二人の円熟の境地が生む緊密なサウンドが堪能できる、Drewの晩年の傑作と言われているものなのです。


それでは、円熟の境地が綴る、秋の空気をより一層引き立てるその音楽、前口上はこのくらいにして、この辺で1曲、お聴きいただくことにいたしましょう。










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