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2017年!印象に残った作品 Rock編; Eddie Jobson-"THEME OF SECRETS"・Jon Anderson-"INVENTION OF KNOWLEDGE" [音源発掘]

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本年も、またよろしくお願いいたします。


というところで、今年最初の記事は、昨年末より続く”2017年!印象に残った作品”、その完結編となるロック編。

そのロック、ここ数年はメタル系の作品を中心に楽しんで来たのですけど、一昨年当たりから若い頃、私が主に親しみ聴いて来たプログレシッブ・ロック作品へ回帰してみようと思い立ち、その指標を変えて作品を探しいろいろ聴きあさって来たのですが。


昨年の前半は、自分にフィットするサウンドに全く出会うことができず、このままでは全くのスカ状態のまま1年が終わってしまうのでは、という気にさえなってしまったほど。

ところが、そうした思い駆られた数日後、当ブログをUpしようと、とあるアーティストについて下調べがてら聴いていた作品の中から聴こえてきたキーボード・サウンド。

そのサウンドに強い興味を覚えて、その音の主の作品を探してみたところ、ようやく見つけ出したのが、このプログレシッブ・ロック作品だったのです。
それが、この作品!!

THEME OF SECRETS.jpg


英国出身のキーボード・ヴァイオリン奏者 Eddie Jobson、1985年発表の”THEME OF SECRETS”です。

実はこの作品との出会い、昨年1月この世を去ったプログレッシブ・ロック・シーンで名を馳せたベーシストのJohn Wettonが、大きな賞賛を勝ち得たロック・バンドのASIA在籍以前に、彼がドラム奏者のBill Brufordと立ち上げ、そのメンバーとして参加したバンドUKの演奏をあらためて聴き直してみたところ、そこから聴こえて来たEddie Jobsonのキーボード・プレイの中に感じた大きな非凡!!

そこからJobson名義の作品も聴いてみたい思うようになり、彼の足跡を辿ってみた結果、見つけることが出来たもの。


といってもJobson 、2009年以降たびたび来日し、通の間でそのLIVEは、高い評価を得ているものの、1985年以降10年間は、ロック・シーンの表舞台から遠ざかっていたことから、初めてその名を聞くという人も多いのではないか思います。
そこで、この作品に至るまでの彼の略歴を簡単にご紹介させていただくと。

1972年18才の時に英国のプログレッシッブ・ロック・バンド、Curved Airのキーボード奏者としてプロデビュー

その翌年には、Roxy Musicに参加してその黄金期を築き上げ、 さらには、Frank Zappa・The Mothers of Invention、そして前述のUKへの参加と、70年代のロック史にその名を刻んだ名だたるロック・バンドに在籍、そこで高い評価を得て来た輝かしい経歴を持つアーティストなのです。

そのJobson、UK解散後にはソロとしての活動を開始、まず1980年には英国の著名なあのプログレシッブ・ロック・バンドJethro TullのリーダーであるIan Andersonのソロ・プロジェクトに参加、その発表時には Andersonのソロ作品からJethro Tullの名義となった作品”A”の制作いおいて極めて重要な役割を果たしています。

そして、その後は自身のソロ作品を手掛けるようになり、1983年には初の自己名義の作品”The Green Album”を発表、それ続いて発表したのが1985年の本作”THEME OF SECRETS”という訳なのです。


さて、その”THEME OF SECRETS”、
前作”The Green Album”がバンドを伴った作品であったのに対し、こちらは、Jobsonのキーボードのみによる完全なソロ作品。
RoxyやUKでその存在を強く印象付けた彼のキーボードが、ソロというフォーマットでどんなサウンドを創り出しているのか、それはおおいに気にかかるところです。

そこで、その”THEME OF SECRET”から1曲。
曲名は、"Lakemist"、そのサウンドを聴きながら、ソロにおける彼の姿を探ってみることにいたしましょう。








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2017年!印象に残った作品 Classic編;Morgaua Quartet - Tributelogy ・David Garrett-Music  [音源発掘]

2017年!印象に残った作品今回は、Classic編。

Classicとは言っても、歴史の名を残した大作曲家の作品(それはそれで、素晴らしいのですけど)ではなく、私が語るのは、現代の音楽世相にどっかりと根を下ろしたClassic音楽作品。

そこで、まず最初に取り上げる作品は、

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日本の弦楽四重奏団 Morgaua Quartet の” Tributelogy ”です。

しかし、「このジャケット、どこかで見たことがあるよ。」という方も多いかと思いますが。


それは、このジャケットでは?

そう、それは、1970年代、急速に台頭しロック・ミュージックの核の一つになったプログレッシブ・ロック、その時代の中心的存在であったと今も語り継がれている、Emerson, Lake & Palmer(以下EL&P)の1972年のスタジオ制作の作品”Trilogy”。

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いかがですか?
一瞬、瓜二つだだなと感じながら、片や4人に対し、もう一方、描かれているのは、3人という事実。

実はこの作品、あのEL&Pのキーボード奏者のKeith Emersonとベース奏者Greg Lakeの作品を、このカルテットの第一ヴァイオリン奏者でリーダーの荒井英治が、クラシックの弦楽四重奏用に編曲演奏した、EK&P作品集ともいうべき作品なのです。

日本のクラッシック・アーティストの手によるロック・アーティストの編曲作品集とは、なんとも不可解との印象をもたれるかもしれませんが、それを生んだのは、荒井英治とKeith Emersonと間に築かれていた深い親交。

そもそもその始まりは、日本の作曲家、吉松隆が編曲を手掛けたEL&Pの名曲「タルカス」のオーケストラ版(その記事はこちら)の録音に、荒井東京交響楽団コンサートマスターとして参加したことにあったようで、後に、Keith Emersonが東日本大震災被災者に捧げたピアノ曲”The Land Of Rising Sun”を荒井が弦楽四重奏曲への編曲を提案、このカルテットの2作目となるプログレシッブ・ロック演奏集”原子心母の危機”に収めたことが、さらにその関係を密なものにしていったのです。

そうして、2016年春に予定されたエマーソンの来日コンサート、そこにモルゴーア・クァルテットもゲスト参加し、Emersonのモルゴーアのための新編曲”After All of This”で共演する予定だったのですが・・・・・・・・・。


突然訪れた、Emersonとの永遠の別れ!!!


幻となってしまった夢の共演、そこでモルゴーア・クァルテットは、急遽”After All of This”をレコーディングし、Emersonの葬儀にその演奏を捧げることにしたというのです。

そしてその1年後、Emersonへの追悼作品として発表されたのが、この” Tributelogy ”なのです。

その収録曲は、Emersonの絶筆というべきあの”After All of This”をはじめ、1970年彼らのデビュー作品”Emerson, Lake & Palmer”から1973年の作品”Brain Salad Surgery(邦題;恐怖頭脳改革)”までの、E, L & P絶頂期スタジオ制作4作品の曲が、弦楽四重奏に姿を変え新たな命を得て見事に蘇っています。

それでは、その作品の中から、”Brain Salad Surgery(邦題;恐怖頭脳改革)”に収められていた”Karn Evil 9: 1st Impression-Part 1(邦題;悪の教典#9 第1印象 パート1 ) ”を、まずはお聴きいただくことにいたしましょう。



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2017年!印象に残った作品 Jazz編Vol.2;Mulgrew Miller ”The Sequel” & Bobby Jaspar ;”Bobby Jaspar Quintet” [音源発掘]

2017年!印象に残った作品、まずは前回予告したJazzのピアノ作品から、

今年も残りあと僅かというところで、今一度気合を入れ直し、ご紹介するのは、アメリカの黒人ピアニストMulgrew Millerの2002年の作品”The Sequel ”です。

The Sequel.jpg


1970年代半ば、Duke Ellingtonの息子であるMercer Ellington 率いるエリント楽団のピアニストしてメジャー・シーンに登場したMiller、その後1984年には、あのArt Blakey の The Jazz Messengersに加入、ここでその存在を広く知られようになります。

私が、彼の演奏を聴いたのも、ちょうどその頃。
60年代モーダルジャズ洗礼を受けた年代のピアニストとして、最初はMcCoy Tynerの強い影響を受けたアーティストだなと思い聴いていたのですが、その後、さらに聴いて行くとその中に、何か懐かしさを感じる伝統的なジャズの空気が感じられようになって来たのです。


その伝統的なジャズの空気とは、Bud Powellに始まるモダンジャズ・ピアノ草創期の香り。


彼のピアノの持つそうした空気に、現代と50年代ジャズを繋ぐ不思議な響きがあるように思ったのですけどそこでふと思い浮かんだのが、バップとモーダルの転換期に登場し、多くのファンを魅了したピアニストのWynton Kellyのこと。

それはかなりの飛躍した発想のようにも思えますが、実は私自身、このMillerの作品に接し、Kellyのスタイルに比べより新しくモーダルな彼のスタイル、普通に聴けば全く違ったものでしかないはずなのに、深く聴いていくうちに、そのサウンドの根底にはKellyと同質の何かが宿っていると、そのように感じるようになり、彼のピアノに深い興味を抱くことになって行ってしまったのです。

そうした中で、今年出会ったこの作品、それまで彼がサイド・マンとし参加した、また、ピアノ・トリオでプレイした演奏は聴いたことがあったのですけど、1990年代に作曲にも傾注し、その成果を踏まえた彼の演奏には接したことがなかったことから、そうした作品、その腕前が緻密に反映され、しっかりと捉え聴くことが出来るのは、やはりスタジオ制作の作品ではないかと、探し手にしたのがこの作品。


本来ならその作品の出来栄え、PVにてご紹介したかったのですけど、探したところ見つけることが出来なかったので、今回は彼のライブの映像をご覧いただき、そのピアノ・プレイに接していただき、それから、この作品について語らしていただくことにしたいと思います。







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2017年!印象に残った作品 Jazz編Vol.1 Renee Rosnes ”Written In The Rocks” [音源発掘]

今回は、久々となってしまっていた音楽記事。

実はそのこと、私こと8月に、これまでいた職場を離れ、新たな職場に移り、新たな職場での日々を過ごすようになったことから、諸事、その新しい環境に慣れ適応するのに四苦八苦の連続で、じっくりと音楽を楽しめるような状況になかったのが、その原因。

とは言うものの、今は、その苦難の始まりから3か月が過ぎたところで、ようやくその職場に馴染め、再び音楽を楽しめる平常心を取り戻せたというところ。

とは言っても、そうこうしているうちに2017年も早、11月。
となれば、今年出会った音楽の数々、その諸作品の中でも特に印象に残った作品について語っておかねばと思い、今回は、そのテーマで筆を進めることにいたしました。

さて、その第1回は、ジャズ作品の中から、今年手にしたお気に入りのピアノ・ジャズ作品を取り上げご紹介させていただくことにいたしました。

その、まずはの作品はこちら.......[右斜め下]

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カナダ出身の女流ジャズ・ピアニストRenee Rosnes 2015年の作品”Written In The Rocks”です。

1980年代の半ばに、60年代ポストColtraneを担う中堅のサックス奏者として注目された、Joe Henderson に見い出されジャズのメジャー・シーンに登場した彼女、その後はWayne Shorter 、JJ Johnsonなどジャズの歴史に大きな功績を残したアーティストの下で活動しながら、次第にその評価を高め、1990年に名門Blue Noteレコードと契約、初のフルデビュー作品”Renee Rosnes ”を発表、その存在を世に大きく知らしめることになったアーティストなのですが.........。


そうした評判を耳にしながら、私が、その彼女のピアノを聴く機会を得たのは、ちょうどそのデビュー作品が日本でもリリースされ、巷の評判になっていた1990年頃のこと、確か、Mind of Medicine Jazz Project のコンサートだったと思うのですが、彼女が、ドラマーのEd Thigpen 率いるYoung Men & Olds の一員と共に来日、その仲間に加わり演奏した、TVで放映されたそのライブ演奏を、偶然見てのことでした。

そこで見た彼女のプレイは、Bill Evans的タッチの端正さを宿しながらも、どこか女性らしい柔らかさと優しさを包含し、その美貌と相まって、いやそれ以上に独自の雰囲気を醸し出していた、その心地良く純良なサウンドにすっかり魅了されてしまったのでした。

といったところで、その純良な心地良さを感じたサウンド、少々長めですが、この2015年の様子を捉えたこのライブ映像で、とくと味わっていただくことにいたしましょう。







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秋の気配を運び来るフルートの音・”Phenil Isopropil Amine” Bobby Jaspar  [音源発掘]

梅雨は、とっくに明けたはずなのに、いつまでも続くじとじとした日々。

8月も半ばとなれば、暑い日中の時が過ぎれば、何処からともなく、秋の訪れを間近に感じる風がそよぎ来る時となるはずなのに。

と思ずれるい、これから訪れる来る季節の気配を待ち焦がれながら、今回は一足早く、秋の気配を宿した音楽を探し聴いてみることにしてみました。

そうして、いろいろ聴き、これならばと思ったのがこの作品。

Bobby Jaspar Phenil Isopropil Amine.jpg


ベルギー人のテナーサックス、フルート奏者であるBobby Jasparの1958年の作品”Phenil Isopropil Amine(邦題:スピーク・ロウ)”。

Bobby Jasparというアーティスト、どちらかと言うと知る人ぞ知ると言った類のアーティストだと思うので、そのプロフィールを簡単にご紹介されていただくと、

1926年ベルギーのリエージュで生まれのJaspar 、自国でのレコーディングデビューを果たした後、1950年にさらなる極み求めて、引き続き現代でもヨーロッパにおけるジャズの中心地となっているパリに進出することになります。

そして、そこで高い評価を得たJaspar は、周囲の勧めもあって、いよいよ1956年に渡米、ここでもまたその評価は揺るがすことなく、当時アメリカでの超一流のジャズ・アーティストらに認められ、彼等と行動を共にすることになるのです。

その顔ぶれには、J.J. Johnson、Kenny Burrell、Wynton Kelly、さらにWikiによればMiles DavisやJohn Coltrane、Donald Byrdまで、今や伝説のジャズの巨人となっている多くのアーティストが彼を賞賛し彼を向かえ入れたというのです。

中でも、彼の存在を有名にしたのは、私自身 渡米直後に加入したトロボーンの巨匠J.J. JohnsonのQuintetへの参加だと思っているのですが、そう思うのは、当時、このQuintetのメンバーには、後年ジャズ界の中心的存在となる若き日の Tommy Flanagan (piano)とElvin Jones(drums) が在籍していて、この二人のうち、当時すでに多くのアーティストのレコーディングに引っ張りだこの存在になっていた Tommy Flanagan のディスコグラフィーを見たところ、

そのBobby Jaspar、J.J. JohnsonのQuintetでのアメリカ・レコーディング・デビュー後すぐにFlanagan 、Elvin等と共に彼 自身アメリカでの初のリーダー・レコーディングを行い、その後、多くのアーティストとのレコーディング機会を得ていたことを知ったからなのです。



さて、ここで1曲。
テナー・サックスとフルート、二つの楽器を操るJasparですが、その真骨頂はやはり美しいフルート・プレイ。
全編、フルートの演奏で挑んだこの作品から”Cliff Cliff”を聴いていただくことにいたしましょう。




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魅惑の女性ジャズ・トランぺッター;市原ひかり”MOVEON” [音源発掘]

7月になりましたね。

夏の暑さも本番を迎え、少々バテ気味ながらも相も変わらず日々仕事に翻弄されている毎日を過ごしている私。
「引退間近の年寄りをここまでこき使うなよ」と、愚痴を言いながらも、私を頼って来る依頼者の願いには耳をかさぬ訳には行かず、さらに忙しさも増していつまで経っても楽をできないでいる有様。

と言いながらも記事の更新も怠る気持ちにはなれず、今回のお話は、ここのところ遠のいてしまっていたジャズ作品のお話。

そうしたことで、今回取り上げるは、昨今お気に入りでよく聴いている、日々の忙しさを紛らわしてくれているこの作品。

Move On 、市原ひかり m..jpg


日本の女性ジャズ・トランぺッター市原ひかり 2010年発表の5作目の作品”MOVE ON”を取り上げることにいたしました。

2005年の作品 ”一番の幸せ”でCDデビューをした彼女、最初はまた女の子のジャズ・プレヤーか、どうせ日本のレコード会社の受け狙いの産物なのだろうと聴いてみる気すらなかった私なのですが、その私が彼女のサウンドに興味を覚え聴いてみようと思ったのは、翌2006年に制作された2作目の作品”Sara Smile”に出会ってのこと。

今は廃刊となってしまったジャズ雑誌スィング・ジャーナルでGoldディスク作品として紹介されているのを知り、その内容を見てみると、ジャズの本場NYで活躍している強者アーティストを従えての海外録音。

2作目にしてこの力のいれよう、これは、いくら売らんかな姿勢丸出しの日本のレコード会社でもありえないこと!!
もしかすると、なかなかの逸材やもしれぬと、早速手に入れ聴いてみることにしたのです。

そして一聴してみると、当時、若干24歳の女の子が、NYの猛者連に揉まれながらも対等に渡り合っている。
しかも、そのサウンドは女性らしく、マイルドで優しい香りに満ちていたという何とも印象に残るもの。

これは将来が楽しみなアーティストだと思いながらも、しかし、一方、当時の私はトランペットいうと幅広い音域を駆使しバリバリと迫りくるスタイルが好みだったこともあって、彼女のプレー・スタイルには今一つ何か物足りないものを感じてしまって、その良さを理解できぬままとなってしまったのです。

そのトラウマが祟ってか、それから10年。
それまで、彼女のトランペットを聴くことはあまりなかったのですが、とある日、CDショップに行き店内を物色していると突然目に飛び込んで来たのがこの”MOVE ON”。

こういう形で出会った作品、これはご縁の産物なのだと、過去にも持ち帰り聴いてその良さに嵌ってしまった経験が度々あった私。
もしかすると、これもその筋の作品なのではと直感し、持ち帰り聴くことにしたのです。

さて、その顛末は??

その答え、それでは早速その演奏、聴いていただき判定していただくことにいたしましょう。







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プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで Part.3 [音源発掘]

早いもので2017年も6月を迎え半年が過ぎようとしているところ。
この「プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで」も遅々として筆の進まぬまま気付いてみれば3月に書き始めて以来3ヶ月も経過してしまいました。

これでは追悼というにはすでにその機会を逸してしまったな思いつつ、何とかけじめをということで今回はその最終回。

今年1月に、亡くなったベーシストのJohn Wettonのことをお話したいと思います。

John Wettonというと多くの方が、80年代一世を風靡したASIAでの活動を思い浮かべる方が多いのかもしれませんが、この人の名が多く知られるようなったのは1970年代の初頭のこと。
それまでとは全く異なったコンセプトで活動を開始したRobert Fripp率いる 第3期 King Crimsonへの参加によってでした。

ここでのWettonは、”Larks' Tongues in Aspic(邦題:太陽と戦慄)”、”Starless And Bible Black(邦題:暗黒の世界)、”Red”の3枚の作品にその足跡を残しているのですが、そのサウンドは、後のASIAでのものと大きく異なり、即興演奏(インプロビゼーション)を主体とした技巧的かつスリリングものだったことが思い出されます。


それでは、King CrimsonでのWettonのプレイ、まずは最初にCrimsonインプロビゼーション期の最後の作品”Red”から、

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曲はその表題曲”Red”を聴き、その彼の足跡をたどって行くことにいたしましょう。



いかがですか。
私としてはこの時期のKing Crimsonが一番好きで、おかげでWettonというと、まずはこの作品を思い出してしまうのですが、ASIAでWettonを知った方々にとっては、このサウンドにはかなりの違和感を覚えたのではないかと思います。

革新的なサウンドを提示したKing Crimson、ここで世界的に名を知られるようになったWettonだったのですが、この”Red”を最後にKing Crimsonは1974年いったん解散、Wettonも新たなステージへと身を進めて行くことになるのです。

その行き先は、”Look At Yourself(邦題:対自核)”、”Demons And Wizards(邦題:悪魔と魔法使い)”、 ”The Magician's Birthday(邦題:魔の饗宴)”等の作品で、当時その地位を築きあげていたプログレシッブ・ハード・ロック バンドのUriah Heep。
その彼らの1975年の8作目の作品”RETURN TO FANTASY(邦題:幻想への回帰)から、その活動に参加することになったのです。

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プログレシッブ・ロック的な感覚を付加しつつ、ポップな感覚のハード・ロック・サウンドで定評の高かったUriah Heep、そこでインプロビゼーションの世界で鍛え上げられたWettonのベース・サウンドが、どう炸裂するのか興味津々といったところ。

というところで、今度はその演奏、ここで聴いてみることにいたしましょう。











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プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで Part.2 [音源発掘]

今回のお話は、再び音楽談義に戻って、前々回に引き続き「プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで」 のPart2。

今回、登場願うアーティストは、昨年12月にこの世を去った、プログレシッブ・ロックを世に認知させた大名盤、King Crimsonの”In The Court Of The Crimson King”でデビューを果たし、その後、ロックにおける新時代のキーボードの道を開拓したKeith Emersonの主宰するEmerson, Lake & Palmerへ参加し、ロック史上における数々の名演を残したGreg Lake。

私が、Lakeを知ったのは、当時興味を持ってよく聴いていた ギターが大きな役割を果たしてたロックにおいて、キーボードをその中心据えたサウンドに挑戦していたKeith Emersonが、新しいバンド(Emerson, Lake & Palmer)を結成したことを知り、その作品を聴いてからのこと。

その最初の印象は、ベーシストとしての存在よりも、当時のロック界には珍しかった透明感とハリを兼ね備えた美しいヴォーカリストとしての存在だったことが思い出されます。

Emersonのクラシカルな佇まいを醸し出す美しいピアノと、その佇まいを壊すことなく美しく静かにロック・エッセンスを注入するLakeのプレイ。

そうした、EL&Pの魅力を知らされたのが、この作品。

emerson_lake_palmer.jpg


彼らのデビュー・アルバムである”Emerson, Lake & Palmer”でした。

この作品、EL&Pの作品としては、後の”Tarkus”や”Brain Salad Surgery(邦題:恐怖の頭脳改革)”などの、シンセサイザー駆使して迫りくるった全盛期の彼らの作品と比べ、地味な印象であまり多くを語られることが少ないように思えるのですが、それとは裏腹にアコースティックで繊細な趣のあるサウンドには、それら全盛期の作品とはまた異なった格別な魅力があるのではと思います。


そこで、今回最初の楽曲は、まずは手始めにこの作品から、

その格別な魅力、接して味わっていただくことにいたしましょう。








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プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで Part.1 [音源発掘]

今年1月末のJohn Wettonの訃報。

つい最近まで、自らが率いるASIAで精力的な活動を続けているという報を聞いたばかりだったのに、その突然の出来事に驚いたと同時に、思い起こされたのが、2015年6月以来、度重なるプログレシッブ・ロック創生期に活躍した名ベーシスト達の死。

2015年6月のChris Squire 、2016年12月のGreg Lake、そして今年の1月のJohn Wettonと 3人いずれもが70歳を前に相次いで他界してしまったことに、さらに大きな衝撃を受けてしまったのです。


そこで、これからは3回に分けて、その3人を偲び、その音楽の思い出についてそれぞれ語ってみたいと思います。

まず最初のベーシストは、2015年に亡くなったChris Squire。
ロックに交響曲的手法を取り入れたサウンドで一世を風靡した、プログレシッブ・バンドのYesの中核的存在として、そのサウンドの底辺を支え続けたことで知られるSquire.。

彼のベースの真骨頂は、バンドメンバーそれぞれが思うがままに奏でるサウンドのウェーブを、そのベース・で一瞬にして一つ壮大なウェーブに取りまとめ合体仕上げてしまう、その音造りの腕前の鮮やかさ。

あのQueenのベーシストであるJohn Deaconが、自身の目標としたという、その重厚なベース・サウンド。

メンバーの入れ替わりが多かったYesにおいて、20年ぶりの往年のメンバー集結による復活を果たした1996年のライブの模様を捉えた1997年に発表の、


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”Keys to Ascension”

そのライブ映像をご覧いただき、しっかりとサーチしていただければと思います。






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歌い躍る至高のドラム ・Max Roach;Live In Tokyo [音源発掘]

昨年は、私を皮切りに家族が順繰り入院、その後も仕事とその後家族の世話で、年末にはすっかり体調を崩してしまっって。
そんなことで、今年に入って正月は休養に徹しその回復に努めていたのですが、幸いその後も、出張が少なく、自宅で過ごす時間も増えたことから、やっとのことで回復基調へと転じることが出来たところ。

おかげで、今年は1月が過ぎるのがいつにもなく妙に長かったように感じているのですが、そうはいっても暦は変わって既に2月。

その2月入って初めての記事の今回は、

前回の記事で取り上げたCharles Mingus、その記事を書きながら思い出した一人の大物ジャズ・アーティストを取り上げ、その作品を語ることにしたいと思います。

そのアーティストは、Mingusの良き相棒であって、自分たちの表現したい音楽を世に送り出そうと共にレコード会社を設立したり、人種隔離反対運動の活動家として共に活動した、また、プレヤーとしては、Kenny Clarkと共に、現代のジャズへと続く1940年代ビ・バップの黎明期において、そのサウンドをサポートするための次世代のドラミング・スタイルを築き上げた、偉大なドラム奏者であるMax Roach。

この名前を聞けば、ジャズ史上、伝説のトランペッター Clifford Brownとの双頭コンボでの名演の数々でご記憶の方も多いとにでは。
そこで、ならばそれらの作品の一つを選んでお話をと! 行きたいところなのですが、それでは主役はあくまでMax Roachとは言っても、やはりそこは伝説のトランぺッター、書けば Brownばかりに焦点があたる記事になってしまいそう!!!!

ならば、Brown亡き後の、フロントにKenny Dorham(tp)、Sonny Rollins(ts)二人の名手を配し、かつRay Bryantのピアノが聴ける1956年の”Max Roach Plus Four”や、当時4/4拍子が主流のであったジャズの世界に3/4を持ち込み全曲3/4の曲で彩った1957年の”Jazz In 3/4 Time”といった50年代半ばの意欲作あたりを選ぶのではと思われるかもしれませんが、さに非ず。

もちろんそれらの作品には私も大きな愛着があるのですが。今回選んだのは...........

Roachのドラムの凄みをいやというほど思い知らされた、それらの作品からずっと時代が下った1977年、その年の来日の際に録られた東京でのライブの演奏を収録した、”Live In Tokyo”とすることにしました。

Max roach Live In Tokyo.jpg


この作品の魅力!!?

先に上げた1950年代の名演群、そのどれもがジャズの歴史に残る重要なものばかりだと考えているのですが、その時代を共にしたプレヤーの顔ぶれを見てみると、 Roach とは年齢もそう変わらず、一世を風靡し今にも名を残したプレヤーばかり。

その音楽を聴いてみると、必然その音楽もグループとしてのサウンドを重視したものとなっていて、Roachのドラムもその凄さを感じさせてくれるものの、他のソリストとのバランスを見据えたものであったように思えるのです。

ところが60年代に入って以降の彼のサウンドは、ビ・バップ、バップとジャズの2つ時代を牽引してきたジャズの巨星としての地位を謳われていた彼は、周辺に若手を起用し、自らのドラムをクローズ・アップし、それをその中心に添えつつも、若手たちの創造性を喚起する傾向が強くなっていったように感じらるのです。

そうした中で70年代に制作されたこの作品、実はこの私、このライブの直後、FM放送で彼のピアノレス・カルテットの演奏を聴き、既に過去の人だと思っていたRoachのドラムに、秘められた無限の可能性と大きな広がりがあることに気付かされ、ひどく驚かされたもの。

以来、Roachのドラムの真髄を知るには、この作品こそ打ってつけのものと思っているのですが、果たして私以外の方々はどう思われるのか???

早速、このサウンドをお聴きいただき、お話を続けいくことにしたいと思います。




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