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プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで Part.2 [音源発掘]

今回のお話は、再び音楽談義に戻って、前々回に引き続き「プログレシッブ・ロックの夜明けを切り拓いたベーシスト達を偲んで」 のPart2。

今回、登場願うアーティストは、昨年12月にこの世を去った、プログレシッブ・ロックを世に認知させた大名盤、King Crimsonの”In The Court Of The Crimson King”でデビューを果たし、その後、ロックにおける新時代のキーボードの道を開拓したKeith Emersonの主宰するEmerson, Lake & Palmerへ参加し、ロック史上における数々の名演を残したGreg Lake。

私が、Lakeを知ったのは、当時興味を持ってよく聴いていた ギターが大きな役割を果たしてたロックにおいて、キーボードをその中心据えたサウンドに挑戦していたKeith Emersonが、新しいバンド(Emerson, Lake & Palmer)を結成したことを知り、その作品を聴いてからのこと。

その最初の印象は、ベーシストとしての存在よりも、当時のロック界には珍しかった透明感とハリを兼ね備えた美しいヴォーカリストとしての存在だったことが思い出されます。

Emersonのクラシカルな佇まいを醸し出す美しいピアノと、その佇まいを壊すことなく美しく静かにロック・エッセンスを注入するLakeのプレイ。

そうした、EL&Pの魅力を知らされたのが、この作品。

emerson_lake_palmer.jpg


彼らのデビュー・アルバムである”Emerson, Lake & Palmer”でした。

この作品、EL&Pの作品としては、後の”Tarkus”や”Brain Salad Surgery(邦題:恐怖の頭脳改革)”などの、シンセサイザー駆使して迫りくるった全盛期の彼らの作品と比べ、地味な印象であまり多くを語られることが少ないように思えるのですが、それとは裏腹にアコースティックで繊細な趣のあるサウンドには、それら全盛期の作品とはまた異なった格別な魅力があるのではと思います。


そこで、今回最初の楽曲は、まずは手始めにこの作品から、

その格別な魅力、接して味わっていただくことにいたしましょう。










曲は、Lake作の”Take A Pebble(邦題;石をとれ)”です。

そもそもKeith Emersonというアーティスト、この演奏でも見てとれる通り、多くのロック・アーティストの中にあってクラシック的な素養とその強い影響下にあったアーティストだと思うのですけど、特にこの演奏にはその資質が色濃く表に現れているように思えます。

そして、Emersonのピアノに寄り添うように鳴る、Lakeのベース。
Emersonのピアノに音の厚みを補いないつつ、ともすればクラシック音楽になってしまいそうな旋律にロック・ ティーストを与えている、そのように感じられるように思います。

Emersonの資質を最大限に引出し活用したLakeのペンの冴え、さらに自らプレイによってそのサウンドをさらに高みへと導いて行く、この演奏だけ聴いただけでも、その只者ではないその資質が分かります。



さて、ヴォーカルだけでなく作曲能力、そしてベース・プレイでも存在感を示したGreg Lakeですが、それだけではなく次の作品では、さらに見事なクラシック・ギターの腕前を披露しています。

pictures at an exhibition emerson lake palmer.jpg


その作品は、ロシアの作曲家 Mussorgskyのピアノ組曲”展覧会の絵”を演奏した作品”Pictures At An Exhibition”。

EL&Pの2作目の作品である”Tarkus”のリハーサル合間に、Emersonがこの曲を演奏していたところ、LakeとドラムのCarl Palmer がバックをつけ演奏を始めそれを創り上げてしまったため、ライブで演奏することになったというこの演奏、本来正規のアルバムとして発売する予定はなかったのですが、その録音が海賊版として出回り大きな評判を呼んだことから、それを憂慮したEL&Pサイドが、急遽、ボーナス盤として正規の作品に発表に踏み切ったという曰くがあるもの。

Mussorgskyのオリジナル曲の間に、彼等のオリジナル曲を収めた構成のこの作品、その中でLakeの手によるこの一曲に、彼の作曲とクラシック・ギターの腕前の高さを見て取ることが出来ます。



”The Sage(邦題;賢人)”です。

ロックのベーシストのサウンドというには、かなり違和感を覚えるサウンド。
そんな感じがするのではと思いますけど、実はこの人、そのルーツはしっかりとレッスンを積んだギタリストだったのです。

そのこと、そもそも彼がKing Crimsonに加わりデビューを果たす結果となったのは、リーダーのRobert Frippと共に、若い頃、一緒にギター・レッスンを受けていた旧知の仲であったことにあるのですが、その腕前、当時から当のRobert Frippを越えるものがあったのだとか。

そうしたこともあってか、Lakeのベース、よく聴いてみると三位一体となったこのバンドの迫力のプレイの中で、時折ギター的なフレーズが奏でていることに気付かされます。

そして、ベースのみならず作曲、ヴォーカル、ギターとその豊かな才能を有しつつ、バンドの中にあって、さもロッカー的であった彼の存在が、たった3人のユニットでありながら、このバンドに多彩な色付けを施し成功に導いていった大きな要因だったのだと思えてくるのです。

それにしても、この年の3月のKeith Emersonの死、そしてその悲しみの涙が乾かぬままに聞えてきた、Lakeの訃報。

近年、日本では多くのクラシックのアーティストが、彼らの曲に取り組み、その素晴らしさの本質を再認識させるべくの盛り上がり見せていた時だっただけに、その死は惜しまれてなりません。

そこで最後は、三位一体となった在りし日のEL&Pのプレイ、彼らのLiveのアンコール曲として度々演奏されていた、あのTchaikovskyのバレエ組曲”くるみ割り人形”の中の”行進曲”をモチーフにした名曲、”Nutrocker”を聴きながら、その冥福を祈るととも彼らの築いたサウンドの素晴らしさ、あらためて味わうことにしたいと思います。



Emerson, Lake & Palmer (album)

Track listing
1. "The Barbarian" Béla Bartók (arr. Keith Emerson, Greg Lake, Carl Palmer)
2. "Take a Pebble" Lake
3. "Knife-Edge" Richard Fraser Leoš Janáček, J. S. Bach (arr. Emerson)
4. "The Three Fates" a. "Clotho"
b. "Lachesis"
c. "Atropos"
5. "Tank" Emerson, Palmer
6. "Lucky Man" Lake

Personnel
Keith Emerson – Hammond organ, piano, clavinet, pipe organ, Moog modular synthesizer
Greg Lake – vocals, bass, acoustic and electric guitar
Carl Palmer – drums, percussion

Recorded
July–September 1970
Advision Studios, London, England



Pictures at an Exhibition

Track listing
1. "Promenade" Modest Mussorgsky, arranged by Keith Emerson
2. "The Gnome" Mussorgsky, Carl Palmer
3. "Promenade" Mussorgsky, arranged by Greg Lake
4. "The Sage" Lake
5. "The Old Castle" Mussorgsky, Emerson
6. "Blues Variation" Emerson, Lake, Palmer
7. "Promenade" Mussorgsky, arranged by Emerson
8. "The Hut of Baba Yaga" Mussorgsky, arranged by Emerson
9. "The Curse of Baba Yaga" Emerson, Lake, Palmer
10. "The Hut of Baba Yaga" Mussorgsky, arranged by Emerson 1
11. "The Great Gates of Kiev" Mussorgsky, Lake
12. "Nutrocker" Tchaikovsky, Kim Fowley, arranged by Emerson, Lake, Palmer

Personnel
Keith Emerson - pipe organ, Hammond (C3) and L100) organs, Moog modular synthesizer (ribbon controller), clavinet
Greg Lake - bass guitar, acoustic guitar, vocals
Carl Palmer - drums, percussion

Recorded
26 March 1971 at Newcastle City Hall, Newcastle, England




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コメント 6

raccoon

「Take A Pebble」を聴いて思いましたが、Greg Lake のボーカルは聴いてて心地よい感じがします。
私はEL&Pは未聴なので、コメントできないのですが、Greg Lake のいたKing Crimson 1st で、ボーカルをとった 「Epitaph 」 墓碑銘 は、とても印象深い作品でした。歌詞は別の作家によるものとはいえ、22歳の時とは恐れいりました。
by raccoon (2017-05-02 10:00) 

mk1sp

特にクラシックギターの『The Sage』が良いですね、
映像中の観客も聴き入っていますね(*^_^*)
by mk1sp (2017-05-02 10:26) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

「Epitaph 」 墓碑銘は、私も大変好きな曲です。
作詞を手掛けたのは、ピート・シンフィールドでしたが、Lakeとの相性も良かったということなのか、この人King Crimson脱退後に、1973年に EL&Pの作品”Brain Salad Surgery(恐怖の頭脳改革)”でも作詞を手掛けているのですよね。

Greg Lake のボーカル、この人90年代に入ると激太りとなってしてしまって、そのせいか声の質も野太いものに変わってしまい、若き日を知る者には効くに堪えられないものなってしまっていまして.......↘

EL&Pの作品、聴くならこのデビュー作から4作のBrain Salad Surgery(恐怖の頭脳改革)”までが、お勧めです。
とくに3作目のTrilogyでのGreg Lakeのボーカルは、聴きもの。是非、聴いてみてください。

by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2017-05-02 11:41) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)


mk1spさん

『The Sage』、当時初めてこの曲を聴いた時は、ベーシストであるLakeに、ここまで深いクラシックへの造詣があったとは知らず、かなり驚かされた、そんな思い出があります。

気に入っていただけて良かったと思います。

by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2017-05-02 11:55) 

R8

EL&Pは1stから恐怖の頭脳改革までがどれも好きで聴いてます。「みんなちがってみんないい」んですね。昨年はキースを失って悲しかったですけど、まさかグレッグも同じ年に亡くなるとは思いませんでした。合掌。
by R8 (2017-05-02 23:34) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

R8さん

「みんなちがってみんないい」 そうなですよね。
当時は、毎回あまりも違うので、捉えどころが難しくて良さを掴むのが大変でした。

昨年のKeithの死、日本のクラシックのアーティストとの新たな歩みを始めようとした時期だけに、私も大きなショックを受けました。

そしてLakeも.......!!

考えるだけで今も悲しくなって来ます
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2017-05-03 20:05) 

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