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巨人への道をまっしぐら!!:John Coltrane・Soul Trane [音源発掘]

なにかと、鬱陶しさが気になる今日この頃、先月、急な発病で小学生以来の入院となってしまった私、病状はたいしたこともなく5日間の病院暮らしで済み、病変は取り除き、容態は回復したものの、短いとはいえ病院のベット暮らしで体力の方がかなり落ちてしまったよう.
これまでのように動くとすぐ疲れてしまう状態がしばらく続いていたのですが、先日、退院2週間後の検診受けたところ、病状はほぼ回復のこと。

しかしながら、これからの季節は、何と言っても体力が勝負。

完治宣言を受けたとは言え、まだ体力が完全に戻っていないことから、しばらくはあせえらずじっくり腰を据え体力作りに励まねばと考えたところで、今回の記事で取り上げるアーティストは.........!!

50年代半ばに音楽シーンの表舞台に登場し、67年に亡くなるまでの僅か12年間の間に、新時代のジャズを築き上げ、多くのアーティストを魅了し追随さししめたこの偉大なるミュージシャン。

Coltrane jazz41.jpg


そう、今やジャズを語るに欠かすことできないジャズ世界の大巨人、今回は、そのサックス・プレヤーであるJohn Coltraneの作品を取り上げようと思います。

そこで、選んだ作品は........、

普通Coltraneというと、60年代 Impulseレーベルに残されたモード・ジャズの世界創造に邁進した頃の諸作品が話題になることが多いのですが、今回取り上げたのは、それ以前、斬新な奏法を模索しながらも、まだ50年代バップの衣装を身に着けたPrestigeレーベルのColtrane。

1958年制作の”Soul Trane"を選ぶことにしました。

soultrane john coltrane.jpg


さて、この作品を選んだのは、1940年代半ばより活動をするも、全く無名の存在だったColtraneが、1955年、Sonny Rollinsの後釜として抜擢、Miles Davis Quintetへの参加によって、彼の名は知られるようになった一方、当時の彼の力量は、Rollinsに到底及ばないものだったことから、「あんな、テナー奏者、早く辞めさせろ!!」との罵声を浴びながらも研鑽を積み、MilesがGil Evansとの活動のため、このQuintetの解散をする直前までには、見違えるほどの成長を遂げ次世代を担うアーティストとしての片鱗を覗かしていた。

そして、さらにはその翌年の1957年、Thelonious MonkのSeptetに参加、そこで、Monkの指導により、その後の彼のスタイル、歩み決定づける、楽器の奏法や音楽に対する、多くの啓示をここで得ることになった、そうした後の世に偉大なる足跡を残したア-ティストの黎明期の息吹を聴きたいと思ったからなのです。

偉大なる二人のアーティストから多くの教示受け迎えた翌1958年 ソロとして活動を始めたColtraneは、、かってのMiles Quintetでの盟友でピアニストのRed Garlandの斡旋でPrestigeレコードと契約、リーダー作品の制作を開始することになるのですけど、ここ挙げたこの作品もそうした巨匠の黎明期の息吹が感じられる1枚。

凡庸なアーティストでしかなかったColtraneが、Miles、Monkという偉大なるジャズの両巨頭から、極めて実践的かつ厳しい教示を受け、自らも研鑽を積み重ね彼独自のスタイルと音楽手法を築き上げていった、そうした意味で、このPrestigeレーベルからのリーダー諸作品は、Davis、Monk、二人の巨頭の手によって見出された天賦の才を、留まることない努力の継続よって開花させつつ、自らの始発点を築き、バップ・ジャズの様式の中に次の時代のサウンドを暗示を提示したようにも考えられ、その作品群にあって、中でもこの”Soul Trane"は、興味深い作品の一つだと思うのです。



と前置きが長くなりましたが、偉大なる巨人の音楽探究の出発点で生まれたサウンド、、この辺で一曲聴いてみることにいたしましょう。








曲は、”I Want To Talk About You”。

こうした、Coltraneのバラード曲といえば、61年のImpulsese盤 ”Ballads”が名高いのですが、この演奏、は、それに比べちょっと硬さがあるようにも思えますけど、Garland トリオのリラクッスした好サポートに支えられて、あの”Ballads”にある神々しさはないものの、後年の”Ballads”へと続く、Coltrane天性のつきることない歌心があるが感じられると共に、バップならではの安らぎある美しさを感じさせてくれているように思います。

ゆったりとしたバラードの次は、アップテンポの曲で。
曲は、”Russian Lullaby”。
後年のColtraneへの萌芽、果たしてここでも聴き取ることができるのか、ご一緒に聴いてみることにいたしましょう。



スタイル的にはバップなれど、それとは一線を画した演奏。
それまでの、バッパーの演奏とは異なった新しい手法による曲へのアプローチが、聴き取れるように思います。

それは、翌年の作品”Giant Steps ”での、アメリカの著名なジャズ評論家 Ira Gitlerをしてシーツ・オブ・サウンドと言わさしめた、Coltraneが開拓した奏法の芽。

凄まじい勢いでサックスから吐き出される一つ一つの音が、絨毯の上に隙間なく敷き詰めてられて行くように感じられたところから名付けられたというこの奏法、元は、独り立ち前に加入したバンドのボスである、Thelonious Monkの「一時にサックスで2音、3音を鳴らせ!」という、サックスという楽器の限界を超えた指導から生まれた奏法なのだそうなのですけど、その無理難題を克服し自己のものとするよう努力を続けたColtraneの真摯な姿勢、そして、その資質を見抜き、無理難題を投げかけたMonkの凄さ、この演奏にはその二人の音楽にかけた壮絶な思いが感じ取れるように思います。

そして、その努力の結晶が現実となりつつある瞬間が、この演奏を聴いていると見えてくるような、そうしたColtraneの熱い思いがいつの間が聴く者の心に共鳴し、次第に胸の高鳴りが大きくしていく、そうした気にさえしてくれるのです。


それにしても、海のものか山のものかもわからない、一サックス奏者を採用し、育てることにしたMiles Davis、晩年に至るまで自己のバンドのサックス奏者は、テナーのみならずアルト奏者までもが、Coltraneのスタイルを継承する者ばかりであったことを考えてみれば、Stan Getzのように吹きたいと願いながらも吹けず、自らのスタイルを築き上げらずにいたColtraneに、そのスタイルの大元を伝授したのは、他ならぬMiles Davisであったのではないかとも思えてくるのです。

大巨人二人に育てられた、後の大巨人、この作品は、その巨人の道を歩むこととなるアーティストの処女航海の姿をとらえた作品として、聴き直すほどに味が増してくる、不思議な魅力がある作品だと思いました。


Track listing
1.. "Good Bait" Tadd Dameron
2. "I Want to Talk About You" Billy Eckstine
4. "You Say You Care" Leo Robin, Jule Styne
5. "Theme for Ernie" Fred Lacey
6. "Russian Lullaby" Irving Berlin

Personnel
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums
Rudy Van Gelder - engineering, remastering

Recorded
February 7, 1958


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ハンコック

こんにちは。
お大事になさって下さい。
COLTRANEについての記事、これは大変貴重でありがたいです。ありがとうございます。
私は聴くのは、殆どPRESTIGEの盤ばかりですね。
この頃の盤は聴いていて、一番心地よいからなのでしょう。やはりRED GARLANDのピアノが影響していると思います。
今日、横浜は雨で、こんな日にしっとりとしたCOLTRANEを聴くのも良いものですね。

by ハンコック (2016-06-13 12:24) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

ハンコックさん

若い時は、周りには「ColtraneはImpulse盤でなければ、Prestigeなんかはね~。」 という仲間ばかりだったので、私も釈然としないものがあったにも関わらず、その論に従っていたのですけど。

今聴きなおしてみると、確かに、ImpulseのColtraneは凄いけれど、なにか潤いみたいなものが足りないような気がして、近年は私も56年から57年頃Coltraneをよく聴いています。

その潤い、おっしゃる通り、Red Garlandのもたらしている、その通りだと思います。

Garland、この時期の演奏が一番がいいように思え、Coltraneとの共演ではさらに脂の乗ったいい音を聴かせてくれているということで、Garland大好き人間の私としては
、爽快な気分でこれらPrestigeを楽しまさせてもらっています。






by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2016-06-16 18:02) 

yuzman1953

こんにちは。
五日間の入院とは重症だったんですね。
完全に快癒されることを祈ってます。

今日は仕事が休みですので、ジョン・コルトレーンの世界にどっぷり漬からせてもらいました。
by yuzman1953 (2016-06-21 12:50) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

yuzman1953さん

ありがとうございます。
実は症状が出て、これは危ないと思い入院必須の思いで病院に行ったのですけど、そこで診察を待つ間、急に意識を失いましてね。

その瞬間は、これでお終いかと思ったのけすが。

そのおかで、緊急治療室に運び込まれて即治療開始、診察してみれば、自分の思っていた通りの症状で、これなら入院3日間だと思ったのですけどね。

今回の病気の大元は抑えたものの、その遠因はまだ治癒してないということで、結局5日間の入院となってしまいました。

考えようによれば、入院期間5日間ですんだことから、世の流れに惑わせれず、いい休養の時間が取れたこと、望んでもなかなかこういうことは実現しないし、本当にラッキーだったと脳天気に喜んでいます。

今日は仕事が休みで、ジョン・コルトレーン、私も退院以後、聴いていたのですが、コルトレーンの生涯絶えることの、音楽探究の旅の世界、私も随分力をもらいました。

心置きなく聴いていただき、明日の元気役立ててもらえれば思います。
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2016-06-21 21:14) 

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