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次世代に継がれ発展したピアノの音色;Wynton Kelly・4 Kelly Blue   本日の作品;vol.131 [デジタル化格闘記]

桜開花と思いきや、再びやって来た寒の戻り、おかげで例年になく桜を長く楽しめることになった今年の初春。

そんな浮き浮きした気分の陽気の中で、最近聴いているのがこの作品。

wynton_kelly_blue.jpg


Wynton Kelly の1959年の作品”Kelly Blue”。

今更ながら取り上げる紹介するのもおこがましいジャズの大名盤なのですけど、私にとっては、その昔、私がジャズに嵌まる前、FM放送で紹介されたこの作品の中の1曲を聴いたことから、ジャズ音楽の世界へと興味の歩み進めることとなってしまった、そのきかっけを作ってくれた愛着深い作品ということで、今回は、この作品を取り上げお話をすることにいたしました。


さて、このWynton Kelly というピアニスト、そうしたジャズの魅力を教えてくれたピアニストして、私がジャズを聴き始めて以来、最も好きなピアニストとなっているアーティストの一人なのですが、この作品、そのレコーディングされた1959年という年はKellyがジャズ史上に大きな足跡を残したMiles Davis Sextetに参加、大きな飛躍の第一歩を踏み出した年に制作されたものなのです。

そして、ジャズ史上に残る不朽の名盤、Milesの”Kind of Blue”のレコーディングに前後して制作されたのがこの作品と、まさにKellyの絶頂期のプレイを捉えたのがこの”Kelly Blue”なのです。


とは言っても、音楽は聴いてみなければ、わからない。

そこで、まずは最初の曲。

アルバム・タイトルともなっている、"Kelly Blue"から、この歴史的大名盤、聴き始めることにいたしましょう。










演奏メンバーは、Wynton Kelly (piano)、Paul Chambers (bass)、Jimmy Cobb (drums)の、この当時のMiles Davis Sextetのリズム・セクションを務めた3人に、Nat Adderley (cornet)、Bobby Jaspar(flute)、Benny Golson (tenor saxophone)の3人を加えたSextetによる演奏。

中でも興味深いのは、フルートを演奏している、ベルギー出身のテナー・サックス・フルート奏者のBobby Jasparの存在。、

ここでは、テナー・サックス奏者としてBenny Golson がいることもあってか、全編フルート奏者としての参加となってをいるのですけど、このレコーディング前には、J.J Johnsonの下でバップの洗礼は受け、しかっりとその責務果たしてたとはいえ、どちらかというと元来クールな色彩を持った彼のプレーは、このブルーなサウンドの中にも可憐な爽やかさを感じさせてくれtる、そうし他のSextet作品ではなかなか見ることの出来ない重要な役割を果たしているように思うのです。

そして、このこの曲の絶妙のアレンジ、やはり、そこに多くの演奏に独特の味を施し、その幾多の何気ない旋律に普遍的な命を与えて来たBenny Golson の影がちらつき見えて来るのです。


さらに、フロントを担う、3人目のアーティスト。
この時期のMiles Davis Sextetのホーン・セクションの一翼をあのColtraneと共に担っていた、アルト・サックス奏者の"Cannonball" Adderleyの実弟としても知られるコルネットのNat Adderley 。

私は、その後の彼のプレーから感じられたオーバー・ファンクな印象から、彼のサウンドにはどうも馴染めないでいるのですが、ここではメリハリの効いたトーンで高らかと旋律を歌い上げるプレーで爽快な雰囲気を醸し出し、演奏に華やかさを添えてような感じ。
そこに、このプレーを聴くたびに彼のプレー、その資質を見直さなければと考えさせられている次第なのです。


さて、フロント陣の話が長くなってしまいましたが、主役のKellyを中心としたピアノ・トリオ。
こちらも、Kellyの硬質なトーンと切れの良いピアノ・プレーから生まれるクールなスウィング感と、それを支えるChambersの太く音量豊かなベース・プレー、少し地味目ですがCobbのがっしりとしたリズムから生み出される快調なサウンドに包まれ、いつの間にか心地良い気分に浸ってしまった自分に気付かされます。

そこで、今度はピアノ・トリオだけの演奏から。

こも作品収められたトリオの演奏、どの曲も、ジャズのスタンダード・ナンバーとして知られている有名な曲ばかりなのですけど、どれもKellyならではの輪郭のはっきりとしたピアノ・プレーが堪能できるものばかり。

その中からの1曲、"Green Dolphin Street"をお聴きいただこうかと思います。



現代を代表するジャズ・トランぺッターのWynton Marsalis、その名前の由来がジャズ・ピアニストの父Ellis Marsalis が、Wynton Kelly の大ファンであったことから、そのファースト・ネームを息子に与えたのだとか。

そうした後身ミュージシャンの心も捉えたKellyのピアノ、この演奏はそうしたKellyの魅力が満載、 50年代と60年代のピアニストの系譜をつなぐ、真骨頂を知ることが出来る演奏の一つではないかと思います。

そして、この3人、後にMilesの下を離れ、トリオとしてその後一緒に活動して行くことになるのですが、その緊密な息の合ったプレー萌芽がこの時点で完全に出来上がっていることが感じられます。

今回、記事にしようとこのトリオで聴いてみて、あらためて感服たのは、以前より愛聴していたKellyのピアノでなく、Paul Chambers のベース。

細かなテクニックでは、断然現代のジャズ・ベーシストの方が勝るものの、そこにあるのは、それを越える音楽の心。
一つ一つの音に、その役割、相方との対話、そして聴く者へメッセージを込めた心が溢れている。
50年以上も前の録音から、これだけの音が聴き取れる、これには本当に驚かされ、この生の音、できることなれば、この世に呼び戻し再び聴いてみたいものだ思いました。


街を歩けば春本番、ようやく桜も艶やかな春の装いに包まれて.........。。

DSCN1873m.JPG


季節の空気も相まって、いつもと違う顔に出会えたこの作品、久々に聴いてみてChambersの凄さ、そしてバップ期の終末に登場したWynton Kelly 、そのピアノ・スタイルには60年代新主流派ピアニストのスタイルに通ずるものがあることをつくづく痛感させられました。


それにしても、ジャズって本当に奥深いものがある、聴き終えてその思い、本格的の春の到来を告げる桜の花々に思わず語りかけてしまいたくなりました。




Track listing
1."Kelly Blue" (Wynton Kelly)
2."Softly, as in a Morning Sunrise" 朝日の如くさわやかに(Oscar Hammerstein - Sigmund Romberg)
3."Green Dolphin Street" (Bronislau Kaper - Ned Washington)
4."Willow Weep for Me" 柳はむせぶ(Ann Ronell)
5."Keep It Moving" (Kelly)
6."Old Clothes" (Kelly)

Personnel
Wynton Kelly – piano
Nat Adderley – cornet
Bobby Jaspar – flute
Benny Golson – tenor saxophone
Paul Chambers – bass
Jimmy Cobb – drums

Recorded
February 19 and March 10, 1959
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ハンコック

こんばんは。
私がこのアルバムを聴いたのは、CDが初めてだったのですが、ご存じのとおり、これにはKeep it movingの別Take(Take3)が入っておりまして、CDしか知らなかった私はこのTake3の中のGolsonの演奏が凄く気に入っておりました。
その後オリジナルに手を出すことになったのですが、
オリジナルはTake3ではなくTake4が採用されてますので、えらく残念に思ったことがありました。
確かにTake4のほうが全体的には纏まっていて、しっとりとした渋い演奏になっているのですが、私は
Golsonが突っ走ってて、全体的にバランスに欠けるTake3のほうが今でも大好きなんです。
ですので、いまだにCDでも聴いております。
オリジナルが全てではないこともありますね。

親父さんの日記を見て、改めてベースに着目して聴いてみようかと思っております。

by ハンコック (2016-04-08 20:41) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

ハンコックさん

別テイクの方がなんて、私もそう思う作品いくつかありますけれど。

ただ、この作品ではGolsonという人、あれっと思うほどのプレイをすることがあってそれが魅力なのですが、Golsonが前面に出た前々回記事のFullerの作品とは異なり、こちらはあくまでKellyの作品、そうしたこともあってバランスが良いTake4が採用されたのではないかと思っています。


チェンバースのベース、4年ほど前、ジャズをあまり聴いたこがないという方から、ジャズのベースが気に入ったということから、新旧ジャズ・ベーシストのリーダー作品をいくつか紹介したところ、Chambersの”Bass on Top"が一番だったというご評価。

そうは考えていたものの、ほとんどジャズとはあまり縁がなかった方からいただいた評価、以来、その魅力は何かと考えていた矢先、この作品を聴いみて、ようやくその答えを得たという感触あったというのが、その次第。

ハンコックさんにも、そのあたり聴いていただき、私の感じたもの、いかがなものか、聞かせていただければと思っています。





by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2016-04-09 21:18) 

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