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現代を歌うソプラノの歌姫たち(その2) [音源発掘]

穏やかな秋の深まりを日々感じられる季節となったと思ったら、そこに突如到来した爆弾低気圧。
聞けば、今年は台風、1月から発生しなかった月は一度もないということで、それは1965年以来、50年ぶりのことなのだとか。

そうした話を聞くと、穏やかな季節がやって来たとはいえ今年は、いつまた大きな自然災害に襲われるかとその備えのことも考えてしまうのですが、なにはともあれ、芸術の秋。

そうした不安を抱きながらも、やはり、いつものように秋の空気を音楽と接しながら心ゆくまで堪能したいもの。

そこで今回の記事は、前回に引き続きソプラノの歌姫たちの歌声を楽しみながら、秋の空気にゆったりと身を委ねる、そんな選曲で筆を進めることにしたいと思います。


さて、その現代を歌うソプラノの歌姫たち、前回はクラシック・クロスオーバーが、世界に認知される結果をもたらしたSarah Brightmanの歌唱までを聴いていただきましたが、ブライトマンの登場以後クラシックのアーティストのこの分野への進出はさらに加速、日本でもピアニスト黒田亜樹さんや作曲家の吉松隆さんが、EL&Pのプログレシッブ・ロックの名作”タルカス”を作曲者のKeith Emersonの事前承諾を得てクラシックにアレンジ演奏、それがエマーソンの創作意欲に火を付けたのか、自らもそれまでのオリジナル曲にオーケストラ・アレンジ施したアルバム、”Three Fates Project”を制作させるに至らしめた事実は記憶に新しいところ。

それも日本人の繊細な感性があってこそなせる業、などと勝手に思いながら、今回はその日本で静かな人気を呼んでいるクロスオーバー・クラシック、その中から近年話題を呼んでいるソプラノの歌姫たち、その彼女らのサウンドを続けて聴いてみていただことにいたしました。


そこで、まず最初に取り上げることにしたアーティストは.........、

昨年末の私の記事、”2014年聴いていたお気に入りの作品”でも取り上げたこちらの方。

Sarah Àlainn-m.jpg


Sarah Àlainn。


オーストラリア人の父と日本人の母を持つ彼女、昨年は、その彼女のファースト・アルバム”Celeste”をご紹介したのですが、今回聴いていただくのは、第2作目のアルバム”Sarah”からの1曲。

ある名画の主題歌として知られるこの曲、早速、聴いてみることにいたしましょう。








曲は、映画”ロミオとジュリエット”の主題歌絵、”A Time For Us”です。

静寂な夜の中世の街並み、その傍らで吟遊詩人が語り歌うその哀しい愛の物語の歌、映画の中でこの歌が流れたていたのはこんなシーンだったように思うのですが、サラの澄んだ歌声は、聴く者をそうしたロミオとジュリエットの生きたであろう時代に導いて行ってくれる、そんな気にさえしてくれるように感じられるのです。

そして、激しい愛と哀しい物語の結末を象徴しているような、ヴァイオリンのソロ。

最初のアルバム”Celeste”では、聴くこと出来なかったサラの清涼な感性の奥に潜む激しさ、その感情がこの演奏からは感じられるように思います。

この作品では、全体的にその歌唱もさら深みが増し、一瞬の迫力を生み出す力強さも加わってきたように感じられ、このあたり今後どのような歌手に育っていくのか、行く末が楽しみになって来るアーティストの一人ではないかと思ってしまうのです。



さて、続けてのソプラノの歌姫は........。


次に、ご紹介するのは、日本の歌を歌うニュージーランドの出身の歌姫のこの方。

hayley-westenra-elegance_m.jpg


Hayley Westenra

私が彼女を知ったのは、一昨年のこと。
海上自衛隊東京音楽隊の三宅由佳莉さんの”祈り”を聴いていたところ、その”祈り”を外国のアーティストとデュオで歌ったヴァージョンがあると聞き、探し知ったのが彼女の存在だったのです。

さらに調べてみると、その彼女、テレビドラマ『白い巨塔』の主題歌の”アメイジング・グレイス”や映画『ローレライ』の主題歌”モーツァルトの子守歌”などで日本ではお馴染みの外国人アーティストであるようで、その作品を見てみると多くの日本の歌がレパートリーとして収録されていたことから、興味を覚え、これはぜひ聴いてみなければと考え接することとなったアーティストなのです。

そのサウンド、実際聴いてみると”アメイジング・グレイス”や”アヴェ・マリア”などクラシカルな曲の抑揚が抑えられた美しい歌声、それも確かにいいのだけど、さらに印象に残ったのは、英詩に訳され歌われていた日本の歌。

そした訳で、次の曲、その彼女の歌う日本の歌を選ぶことにしてみました。


さて、その彼女の歌う日本の歌、この歌などは、いかがでしょうか。



コブクロの”蕾”ですね。
可憐さと清涼感が加わった”蕾”、コブクロのヴァージョンとはまた違った表情がありますね。


日頃、ジャズのことばかり書いることが多い私、なにか難しい人だ印象を持たれているのかもしれませんが、日本の歌だっていいものはいい。

とくに日本の歌は旋律が素直でシンプルなのに心に深く残る、そこに口ずさみやすさが手伝って、その旋律の中に自然と身が引き込まれてしまう。
そうしたところに、日本の歌の魅力があるように感じているのですが、どう思われますか。

というところでもう1曲。
今度は、ジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子さんも演奏していた、私の大好きな日本の曲から1曲。
それでは、そのサウンド、再び耳を傾けてみてください。



ユーミンの”春よ、来い”ですね。
閉ざされた冬への別れと来るべき春への期待、日本人なればこその揺れ動く感情が感じられる旋律が、言語が変わってもまざまざと見えて来る、不思議な力を持った曲ですね。



さて、日本の歌が続いたところで、日本の歌といえば近年話題のやはりこの人。

海上自衛隊東京音楽隊の三宅由佳莉さん。

一昨年の”祈り ~ a prayer”のヒットで、海上自衛隊東京音楽隊の存在を世に知らしめ、2015年に発表された作品”希望 ~ Songs for Tomorrow”はクラシック部門アルバム№1にまで上り詰めたという、これまでに考えられなかった現象を引き起こした彼女。

そして、その後も彼女の後を追って、陸上自衛隊にもひとり、そして海上自衛隊にもまた一人の歌姫が誕生してるという、音楽産業というフィルターを通さずに自らの力で多くの人々に生きる勇気と希望を与えた、そこに音楽の持つ真の力を見せつけられたように思うのです。

その彼女の歌声の魅力は、なんといってもそこはかとなく伝わってくる暖かさ、それは、けして作ろうとして作れるものではない、自身の使命感から湧き出て来ているもののようにも感じられるのです。

ジャズいいけれど、時にはこうした音楽を聴きながら、秋風に身を委ね、虫の音と共に日々生活を振り返ってみるのもいい。 
これからもジャンルには拘らず、歌の本質、見据えて行きたいものだと思います。


それでは、最後に、その彼女の歌を聴きながら、今日のお話、この辺で締め括ることにしたいと思います。








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R8

ヘイリーのアルバムはほとんど聴いてます。彼女の歌声には癒されますね。ケルティック・ウーマンのツアーメンバーとしても活動していた時期があり、日本のテレビでも見かけました。
by R8 (2015-10-10 16:11) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

R8さん

ヘイリーのアルバムはほとんどお聴きなっているのですね。

彼女の本来の持ち味というと、クラシック系の曲で聴かれる空気の壁を掻き分けて響き渡る澄み切った歌声だと思うのですけど、ここで取り上げた日本の曲では彼女の歌声の可憐さの方が目立っている様に思え、しばし選曲を迷ってしまったのですが。

しかし、やはり日本の歌を愛してくれているニュージーランドの歌姫、そうした面を聴いてもらわねばと考え、この2曲を選んでみました。

ケルティック・ウーマン、彼女がそのメンバーとして活躍していたことは後で知りましたが、その頃のケルティック・ウーマンを取り上げたメディアの在り方がどうも馴染めず聴かずじまいでいました。

彼女を聴いて、次にはケルティック・ウーマン、ぜひ聴いてみたいと思っています。


by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2015-10-11 17:57) 

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